遺言を勧めれば「遺言なんて縁起でもない」と嫌がる人がいます。よく似た言葉に「遺書」があります。遺書は死ぬことを前提に記すもので、遺言とはまったく異なります。
遺言というのは、死ぬためのものではなく、安心して長生きするためのものです。自分の死後、家族が困らないだろうか、遺産相続でもめないだろうか、お世話になった人に財産を残したい、社会福祉のために財産を役立たせたい。等々、誰もが、日頃思い悩んでいることがあるはずです。
遺言を作成することによって、ほとんどの悩みが解決するのではないでしょうか。遺言を作成すれば、長生きをするとよく言われますが、その理由は、遺言を作成することにより、日頃思い悩んでいるストレスを軽くする安心効果から考えれば、当然のことと思います。
もう一つ、遺言は法律を超える大きな効果があります。遺言がなく、相続が発生すれば、相続人は民法の規定により、それぞれの相続分により相続することになります。民法の規定では、夫が死亡すると、遺産の1/2が妻、子供があとの1/2を人数により均分に相続し、子供がいない場合には、妻が3/4、夫の兄弟姉妹が残りの1/4を均分に相続することになります。
しかし、民法の規定どおり分けることが、必ずしも公平とは限りません。遺言は法律に優先するものですので、ご自分が考える公平な分け方を遺言書に表わすことは大事なことです。